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アジアの最新小売業のトレンド・事例を深堀りする〜NRF 2025 APAC & Microsoft Build リキャップセミナーレポート 

2025 年 6 月 26 日(木)に、日本マイクロソフト品川オフィスにおいて「NRF  2025 APAC / Microsoft Build リキャップセミナー & ワークショップ」と題したイベントが開催されました。本イベントでは、6 月 3 日から 5 日にかけてシンガポールで開催された小売業界向けの国際イベント「NRF 2025 APAC」と、5 月に米国シアトルで開催された Microsoft 主催の開発者会議「Microsoft Build 2025」におけるセッションや展示内容を、実際に参加した Microsoft のメンバーが臨場感たっぷりに紹介。アジアにおける流通小売業界のトレンドや AI の最新活用事例などが参加者に共有されました。 

A woman standing in front of a screen

開式の挨拶に立った日本マイクロソフト 業務執行役員 エンタープライズサービス事業本部
流通サービス営業統括 本部長の河上 久子は、本セミナーの 3 つのゴールを提示。「NRF 2025 APAC および Microsoft Build 2025 の展示/セッション内容とインサイトをリキャップできる」「アジア地域のリテーラーの最新トレンドと流通業向けソリューションがわかる」「セッションのスピーカーや参加者と議論し、気づきとインサイトを得る」ことを目的として、「現地で参加した方もそうでない方も、Microsoft ならではの情報を記憶してお帰りいただきたい」と参加者に呼びかけました。 

「アジア太平洋地域小売業界最新トレンドのご報告・DX 事例共有」
マイクロソフトコーポレーション
ワールドワイドリテール & コンシューマーグッズ  
インダストリーアドバイザー
藤井 創一
Tony Xu
Eric Chen
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前半のセッションでは、インダストリーアドバイザーチームの 3 名から、NRF 2025 APAC の振り返りと、紹介された事例やソリューションについての分析・解説が行われました。 

A man in a suit holding a phone

最初に登壇した藤井は、まず NRF 2025 APAC の概略を説明。主催者発表で約 9500 名の参加者があった同イベントは、昨年開催された第 1 回と比べて日本企業の参加が 2〜3 割増えたと藤井。その背景には「国内小売業が成長市場としてアジアを見ている側面があるため」と考察しました。 

藤井は、今回のテーマである「Retail Unlimited」について「ふたつの意味がある」と解説。ひとつはリテールの持つ可能性、もうひとつは既存ビジネスを守る制約事項が変化してきている点、と藤井。つまり、多様な小売市場の集合体である APAC の規模は全世界の 55 %に達しており、ここでブレイクスルーを起こせば今後のグローバル リーダーになれる可能性がある一方で、リテールとブランドの垣根の曖昧化、チャネルの境界の消失、ソーシャル コマースの台頭によって失われる小売業の存在感などの課題に向き合う必要があるというのです。 

藤井はこれらの情報を踏まえて、「今までのビジネスの状況におけるリミッターを外して、ポシビリズムにマインドをチェンジして取り組むこと」が重要であると分析。NRF 2025 APAC の展示においても、Retail Unlimited の時代に向けた事例やソリューションが多数見られたことを報告しました。 

リミッターを外して、持続可能な流通小売業を目指す 

続いて藤井は、NRF 2025 APAC で展開された 71 のセッション中、29のセッションで語られた内容を 生成 AI で分析した結果と、実際に現地で感じたことから浮き彫りになった 3 つのテーマを紹介しました。すなわち「Z 世代の主導 ・ 共創」「ユニファイド コマース」「スマートストア」です。 

さらに藤井は、セッションから読み取れるトレンドとして 「今年の 1 月に開催された NRF 2025 New York 同様、アジア圏でも AI への期待大きく、活用が進んでいる」」と語ります。 

そして最後に、マイクロソフトが独自に APAC 各国小売業を調査した「優先的に取り組むべきテーマ」の結果を説明し、「APAC 各国が顧客接点に関するテーマが優先されているなかで、日本はコスト削減に関するテーマが優先される傾向がみられる。日本のリテーラーは自国の課題と向き合いつつ、他国の状況も注視することが重要」と述べて、セッションを終了しました。 

A man standing in front of a large screen

NRF 2025 APAC におけるケーススタディ紹介 

続いて登壇した Tony からは、3 日間のプログラムから厳選した 6 つのケーススタディの紹介が行われました。 

中国の Sam’s Club China は、56 の店舗と 500 以上のクラウド倉庫を統合してオンライン利用率 50 % 以上、1 時間でのデリバリーを実現しています。Tony は同社の成功のポイントとして「メンバー制体験」「オンラインとオフラインの連携」「品質・鮮度への徹底的なこだわり」の 3 つを挙げ、プロファイルが明らかなメンバーに合わせた上質な商品を厳選、SNS のチャネルを活用して会員数を大幅に拡大したことが成功の要因だと分析しました。 

続いて Tony は、韓国の LOTTE グループをピックアップ。「4000 万人の会員と50 万の加盟店を持つロイヤリティ プログラム」の威力を紹介しました。流されたビデオでは「年間 350 億ドルのポイント取引」や「AI を活用したビッグデータ プラットフォーム」の活用が示されました。同グループは、多角事業間をロイヤリティ プログラムでつなげて AI を活用することで、需要予想の精度を向上し、在庫回転率 22 % 向上と輸送コスト 15 % 削減を実現しています。 

A man in a suit

ユニファイド コマースにより顧客体験を向上 

2 万強の店舗と 2560 万の会員数、1 日あたり 550 万件の取引という規模を持つインドネシアの Alfamart では、「2019 年の GLI(Global Loyalty Indonesia)の買収がターニングポイント」だったと Tony。GLI のノウハウにより会員データ一元管理アプリを立ち上げ、ハイパー パーソナライズ施策と ROI のリアルタイム可視化を実現。さらに GLI の事業自体からも収益を得ることで、売上シェアを大幅にアップしています。 

次に、クイック コマースの成功事例としてインドの BigBasket が紹介されました。同社は、「1.5 km 圏内なら 10 分、3 kmを超えても 20 分以内」という驚異的な配送スピードを実現しています。成功の鍵は AI による在庫予測で、天気や祭り情報まで連携して精度を向上させ、インドの風習に合わせて運営を行えるようにしたこと、と Tony は分析しました。 

A man standing in front of a large screen

インドにおける Z 世代向けファッション EC をリードする Myntra では、20 〜30 分以内のクイック配送を実現しつつ、インフルエンサー コミュニティを構築、「トレンドを捉えるよりもトレンドをつくること」にフォーカスした戦略を採用しています。Tony は、「ユーザー ジェネレイテッド コンテンツによるトレンド創出とフィードバック サイクルを実現している」と、Z 世代の特性を生かした取り組みを評価しました。 

最後に Tony は、日本企業の事例としてサントリーのウイスキー向け NFC ・ ブロックチェーン活用事例を紹介。これは高額ウイスキーの真贋認証、販売後の顧客エンゲージ継続、多様な飲用パターンの収集とマーケティング活用という 3 つの課題解決を目指した取り組みです。ウイスキーの開封時に NFC タグが破れて通信し、周囲のスマートフォンを探知して開封状況を記録、ブロックチェーンで追跡管理する仕組みで、POC では高い効果を収めているとのことです。 

Microsoftパートナーのソリューション紹介

3 人目に登壇した Eric からは、Microsoft のパートナー企業が展示していたソリューションの紹介が行われました。 

A man standing in front of a large screen

中国の DMALL はクラウド監視のスマート コンビニエンス ストアを展開しています。特徴は、昼間は有人対応の普通のコンビニで、夜間だけ無人店舗に切り替えられるシステムで、現在広東省の 2000 店舗に導入されているとのこと。デジタル化だけでなく人の目による遠隔監視を組み合わせることで、万引きや緊急事態にも柔軟に対応できる仕組みを構築しています。 

フランスに本社を置く VusionGroup は、店舗の IoT と AI を組み合わせる形で多岐にわたるソリューションを提供しています。Eric は同社の提供する主要なソリューションとしてレール型の電子値札を紹介。レールへの通電によって電池交換の手間を省けるだけでなく、リアルタイムの在庫管理や顧客への情報提供などを可能にしているそうです。 

Symphony AI Retail は、Microsoft の Azure 基盤と Azure OpenAI をベースとしたソリューションを提供しており、なかでも注目は Copilot 機能であると Eric。同社の AI アプリに統合されている Copilot 機能を活用することで、事業者は不必要な作業を減らし、さまざまなデータから具体的な解決策を作成、店舗運営に活用することができます。Eric は同社を「小売業における予測 AI と生成 AI アプリに関するテクノロジー リーダー」と評しました。 
 

シンガポールに見る先進的な取り組みと課題 

続いて Eric は、シンガポール現地の店舗ツアーで訪れた、3 つの店舗をレポートしました。 

フランスのスポーツアパレル Decathlon では、商品についている QR コードを読み込むと商品レビューや在庫状況が確認できるユニファイド コマースを実現しています。実物を見ながら他者の評価を確認できることは購買率向上につながるはず、と Eric はコメントしました。 

A man in a suit smiling

次に Eric はスーパーマーケットの FairPrice Finest を紹介。スマートカートで店舗のレイアウトや商品の置いてある場所を調べられ、商品の近くに来るとプロモーションやクーポンの通知が送られてくる仕組みを導入しています。ただ、スキャン アンド ゴーで支払いまで無人で行えるはずが、実際には出口で店員によるチェックが行われたそうで、課題も垣間見られたようです。 

日本の菓子専門店 Chateraise がシンガポールで出店している完全無人店舗の紹介も行われました。アプリをインストールして QR コードをかざして入店、全商品に重量センサーが付いており、商品を持って退店すると 5 分後にレシートが届く仕組みです。ただしデジタルに慣れていない世代には利用されにくかったため、現在は学生の多いエリアに移設されているとのこと。また個人の認証が必要なため家族やグループでの入店ができないという課題もあるようです。 

最後に Eric は、日本企業の現地展開についても報告しました。シンガポールは日本の店舗が非常に多く、ドン・キホーテは日本と同じような POP や飲食コーナーを展開していたとのこと。また高島屋ではリアルタイムで商品検索や在庫確認ができるシステムが導入されていたそうです。 

こうして前半パートは終了。NRF 2025 APAC の概略から事例・ソリューションの紹介、現地の店舗レポートまで、幅広く、かつ濃密なリキャップが行われました。 

「AI で実現するあたらしい世界 Microsoft Build Update」 
日本マイクロソフト株式会社  
業務執行役員 Microsoft Innovation Hubリード 
榎並 利晃
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休憩を挟んだ後半パートでは、Microsoft Build 2025 の振り返りと、流通業向けの Microsoft ソリューションのアップデートが行われました。 

まず榎並は、Microsoft のイノベーション チームを率いる立場から、Microsoft Build 2025で発表された最新技術について詳しく解説しました。 

「今回の Build における最大のキーワードは“エージェント”です」と榎並。Microsoft のエグゼクティブが登壇した基調講演では「Open agentic Web」という概念が示され、「Web のようにつながりながら、個人はもちろん組織を通してエージェントが活躍する場が出てくる」という示唆が得られたと振り返ります。Microsoft としても、Microsoft Build 2025 は創業当初の「Software Factory」というビジョンになぞらえて、「Agent Factory」として AI Foundry の開発・提供を目指すという宣言の場となりました。 

A woman standing in front of a large screen

来るべきエージェント時代に向けて知っておくべきこと 

続いて榎並は、Microsoft Build 2025 で発表された Microsoft 365 Copilot の進化について言及。UI も含めて使い方が充実してきており、以前と比べて格段に使いやすくなった Microsoft 365 Copilot において、特に注目すべき機能として「Copilot Tuning」をあげました。 

「企業独自のデータを生成 AI に簡単に学習させられる機能の実装は、かなりインパクトが強い」と榎並。ビルトイン型、サードパーティー型、そしてカスタマイズ型と、さまざまなアプローチでエージェントを開発できるようになっている点、複数のエージェントを同時に動かせるマルチエージェント機能の実装により、さらなる精度の向上が期待できる点を強調しました。 

続いて榎並は、エージェントの作成ツール「Azure AI Foundry」を紹介。Azure AI Foundry では OpenAI がリリースした機能をいち早く取り入れられるだけでなく、1 万以上の大規模言語モデル(LLM)を利用できます。榎並は、動画生成モデルの Sora や SNS 上の情報に強い Grok などを例に挙げて、「今はもはやモデルの競争ではなく、実現したいユースケースに合わせてモデルを選ぶ時代」であることを示しました。 

A man in glasses speaking to a man in front of a large screen

開発者目線のアップデートとして、GitHub 上の生成 AI が特に高い成長を示しているとし、エンジニアのつくりたいソフトウェアをエージェントが理解し、プログラムを自動的に改善してくれる「Coding Agent」 と「Agentic DevOps」という新しいアプローチが紹介されました。榎並は「SIer のような役割をエージェントが担うようになった」と述べています。 

このような変化により生まれた開発プロセスは「ハイパー ベロシティ ソフトウェア ビルディング」という新しい用語で呼ばれていると榎並。これは、リサーチ ツールで要件を詳細に文書化し、その要件書をコーディング エージェントに渡すことで、ノーコード・ローコードでソフトウェア開発が完結するという革新的なプロセスです。 

IDC の調査によると、2028 年までに 13 億ものエージェントが出現すると予測されており、榎並は、人間と同じような形で働くエージェントが当たり前の世界が到来する近い将来に向けて、Microsoft はその監査の仕組みも含めて対応していくというセキュリティ重視の姿勢を改めて示し、セッションを終了しました。 
 

「体験がメディアになる時代へ 
AIが変える流通小売、メーカー卸の未来像」 
マイクロソフトコーポレーション
ワールドワイドリテール&コンシューマーグッズ
インダストリーアドバイザー
岡田 義史 

続いて登壇した岡田は、Microsoft のインダストリーアドバイザーとして、日本の流通業界の特殊性を踏まえた顧客体験、つまり店舗やオンライン、商品に関する AI 活用戦略について詳しく解説しました。岡田によると、20 以上の山岳地帯で分断されている日本には、地政学的な事情や生産物流も含めた特性があり、これがインストア メディアの発展につながっているとのこと。岡田は、今後インストア メディアの成熟が進む一方で課題も見えており、リテール メディアの重要性が増していくだろうと予想を述べました。 

リテール メディアについて岡田は、小売企業が持つデータと掛け合わせることで、単なる広告枠の創出を超えた価値を創造できると、その可能性を指摘。「今後、さまざまな先行者がお互いのメディアやネットワークを繋ぎ合わせて新たなメディア ネットワークを構築していく」と予見し、そこに生成 AI や AI エージェントが役立つとして、具体的な事例として AI による広告クリエイティブ作成のデモンストレーションを披露しました。 

A man standing in front of a large screen

リテール メディアには AI 活用の余地が多分に存在する 

岡田が例として示したのは、あるコンビニエンスストアのカレーパンの広告でした。既存のクリエイティブ作成フローでは、デザイン、ナレーション、法務チェック、媒体選択など多くの業務負荷がかかります。しかし、「Azure AI Foundry に搭載された多様なモデルを活用することでプロセスを大幅に簡素化できる」と岡田はデモを進めていきます。 

実際に既存の広告画像から生成されたナレーション音声はやや拙さを感じるものでしたが、「私よりは上手」(岡田)であり、チューニングすることで精度を高められ、かつ大量にパターンを生成できることから比較検討を進める材料になると解説。AI を使いこなすことで、データドリブンなリテール メディア運営が実現できることを示唆しました。 

A man in glasses giving a presentation

岡田は、「では具体的に何をすればいいのか?」という問いを立て、現在の日本のEC 検索体験の乏しさを例に挙げました。日本では現場に優秀な人材が多いため、いわゆる店員の多能工化が進んでいます。それがゆえに、これと同じ体験をオンラインで求めようとすると、大きなギャップが生まれてしまう、と岡田。すなわち日本で求められているのは検索体験すなわちユニファイド コマースであり、そこに生成 AI 活用の余地が生まれると論を進めます。 

海外では「娘が春から年長に上がるから必要なものを買い揃えたい」といったあいまいな問い合わせに対しても、LLM が背景を理解して制服やランチボックス、知育玩具などを提案する仕組みを構築している小売企業も存在します。さらに、その問い合わせから得られたデータを活用したパーソナライズも可能であり、岡田は今後の日本の流通業界が目指すべき姿はここにあるとし、「Microsoft の AI で顧客体験をハックしていく時代」の共創を参加者に呼びかけてセッションを終了しました。 

「AI Challenge Day for Retail から読み取る最先端の流通業向け AI エージェント実装ご紹介」 
日本マイクロソフト株式会社 
業務執行役員 
パートナー事業本部  
パートナー技術統括本部長 
内藤 稔
オンデマンド動画はこちら

最後に登壇した内藤は、日本マイクロソフトのパートナーチームの技術リーダーとして、実践的な AI 技術の普及と発展を目的とした「AI Challenge Day」の取り組みについて説明しました。 

AI Challenge Day は、日本マイクロソフトのパートナー向けプログラムである「生成 AI 事業化支援プログラム」の一環として実施されており、現在では 200 社以上が参加、「おそらく日本最大のパートナー コミュニティ」(内藤)という規模まで発展しているといいます。 

AI Challenge Day の特徴は、単なる技術紹介ではなく、実際のビジネス課題に即した競技形式での技術開発コンテスト、すなわち「エンジニアの祭典」であることです。業界の注目度も高く、YouTube ライブの配信ではディープテック系の配信では異例の累計約 14 万回も再生されているそうです。 

A man in a suit holding a phone in front of a city

日本を代表する SIer がしのぎを削る AI Challenge Day 

先に行われた第 4 回 AI Challenge Day では、「EC サイトにおける、次世代の顧客体験の提案、アシスタントを開発してください」というテーマが設定されました。ひとつ前のセッションで岡田が指摘したとおり、オンラインの検索体験の向上は大きな課題です。キーワードとして掲げられたのは「新規検索体験の必要性」と「ハイパー・パーソナライゼーション」。これを解決するアシスタントの開発を競うわけです。 

競技は、テーマに沿った回答を提示することと、「日本マイクロソフトがプログラミングしたさまざまなペルソナを持つ顧客が店舗(EC サイト)を訪問するので、この人たちにものを買わせてください」というルールで行われました。 

アスキー賞を受賞したアドインテ社はリテール メディアに強みを持つ会社です。「マルチ チャネルできちんと動く UI」という開発方針のもと、Web チャット、ボイス、モバイルアプリ、LINE、店頭サイネージなど多様なタッチポイントに対応したシステムを構築しました。 

ユーザー エクスペリエンス賞はデジタル ネイティブではない顧客層にもわかりやすい UI と、店員に模したエージェント開発を提案したソフトクリエイティブホールディングス社。準グランプリはロボット開発に強みを持つヘッドウォーターズ社が獲得。Enterprise 実装を意識したセキュリティの仕組みやエージェントによる購買フローの最適化、わかりやすい UI など、テーマに対する高い精度の回答が評価されました。 

A man standing in front of a large screen

グランプリとセキュリテイ&トラスト賞を受賞した野村総研は、「人間のアバターと話すような仕組みをつくって、いろいろなチャネルから見えるようにするべき」という発想で、より人間らしい対話体験の実現を目指しました。さらに EC サイトにおいて重要な「セキュリティの担保」という重要な課題に言及した点も高く評価されました。 

AI Challenge Day の紹介を通して、高い技術を有する企業がそれぞれ持ち味を生かした提案を行い、実際のビジネス実装における多様なアプローチの可能性が示されていることが伝わってきました。内藤は「皆さんにもぜひ各社のプレゼンを見ていただきたい」と呼びかけてセッションを終了しました。 

トレンドを注視しながら、AI を武器に新たな課題にチャレンジする 

こうして閉幕した「NRF 2025 APAC / Microsoft Build リキャップセミナー &ワークショップ」。催しの最後に行われた意見交換セッションでは、日本を代表する流通小売企業からの参加者による活発なやり取りが行われました。 

本セミナーを通じて浮き彫りになったのは、特殊な背景を持つ日本の小売業界ですが、これからはアジアのトレンドを注視しながら、新たな課題にチャレンジしていく必要があるという点。またそこには AI エージェントが大きな役割を持ち、単なる技術的な革新にとどまらず、ビジネス プロセス全体を根本的に変革する可能性を持っているという点でした。 

これからも、ユニファイド コマースの実現やクリエイティブ制作プロセスの変革、そして AI エージェントの実装による業務変革といった新たな時代の要請に立ち向かう日本の流通小売業界の皆さまを、私たち Microsoft は全力で支えてまいります。 

A close up of a paper

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NRF 2025 APAC リキャップセミナー

AIで実現する新しい世界 Micrsoft Build Update

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